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SACD チャーリー・パーカー 「ナウズ・ザ・タイム」




「ナウズ・ザ・タイム」は、チャーリー・パーカーの代表的なアルバムとして、日本でも人気の高い作品です。VERVE時代のアルバムで、原題は「he Genius Of Charlie Parker, #3 - Now's The Time」。録音は1952年と1953年に行われています。

ある意味、SACDとしての評価は難しいアルバムです。演奏自体はアル・ヘイグ、ハンク・ジョーンズ、マックス・ローチなども参加した名演として名高い訳ですが、音のほうはSACDにする必要があったのかという感じです。これは決して悪い意味で言っているのではありません。

マスタリングはオノ・セイゲン氏が手がけ、モノラル録音のマスターをSACDにするために、DSDでリマスタリングしてあります。レベルをいたずらに調整して楽器を際わださせたり、ダイナミックレンジをつけたりせず、原盤のイメージを尊重した好マスタリングです。

ただ、SACDとなるとアナログ的なふくよかさや、レンジの広さなどいろいろと期待してしまいます。でも1950年代の初めの録音なので、オリジナルのマスターも音が良くないのは、当然の話でSACDにしてこういうものが出てきたら、それは相当にいじったということになります。
オーディオ的に言えば、もともとマスターの情報量が少ないのに、それをSACDという容量の大きい器に入れ直しても量が増える訳ではないので、音はたいして変わらないのです。つまりこのマスタリングのままで、CDを安い価格で出してくれたほうが良かったかもしれません。

ジャズの1950年代のアルバムは、LPレコードの時代からリマスタリングされたものも多く、1990年代以降となるとデジタルマスタリングによってクッキリ、ハッキリした音に直されているものが少なくありません。またモノラル録音のものをステレオ化しているものさえあります。
こういう音に慣れた人たちが聴くと、SACDなのに値段が高いだけで、CDの方が音が良いということになってしまいます。

事実、SACDが発売された初めの頃はそういうことを言う人が多くいました。ジャズファンの場合、クラシックファンと違って、録音とマスタリングを混同している人が多いので、なおさらだったのかもしれません。
またレコード会社もSACD化するにあたって、ことさら音質が向上したように宣伝していますが、これもSACDの誤解をうむ大きな要因となっているかと思います。


2004年
ユニバーサル ミュージック UCGU-7034
MONO DSDマスタリング
SACD HYBRID



(パーソネル)

チャーリー・パーカー(AS)
アル・ヘイグ(P)
ハンク・ジョーンズ(P)
マックス・ローチ(DS)
パーシー・ヒース(b)
テディ・コティック(b)、


(曲目)

1.ザ・ソング・イズ・ユー
2.レアード・ベアード
3.キム
4.キム (別テイク)
5.コズミック・レイズ
6.コズミック・レイズ (別テイク)
7.チ・チ
8.チ・チ (別テイク)
9.チ・チ (別テイク)
10.アイ・リメンバー・ユー
11.ナウズ・ザ・タイム
12.コンファメイション





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